歯周病とは
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健康な歯周組織 |
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軽度歯周炎 |
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中等度歯周炎 |
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重度歯周炎 |
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歯と歯肉の境目に付着したプラーク(歯石、細菌の塊)の中の歯周病菌により上記矢印の経過をたどって悪化していくのが歯周病です。
早めにこの悪化する流れを止めてもとにもどす努力をしませんか?
私たちがお手伝いします。頑張りましょう。
歯周病治療
まず、綿密な検査を行って、歯周病の実態をつかみ、原因を明確にし、原因除去療法を行うのが基本です。
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状態を確認 |
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プラーク(歯垢)や歯石の付着状態を確認します。
プラーク内には歯周炎の一番の原因となる、細菌がいます。どの程度付着しているか調べます。
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進行状況を調べます |
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ポケットの深さならびに歯槽骨の吸収程度を検査します。
ポケットの深さや、出血の有無、痛みの度合いで進行状況を調べます
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歯の動揺を検査 |
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歯の動揺を検査します。 歯の動揺具合、痛み方で進行状況を調べます。
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歯肉の炎症状態を検査 |
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歯肉の炎症状態を検査します。
歯肉の色、出血の有無、腫れ具合などで進行状況をしらべます。
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咬合(噛み合せ)状態を検査 |
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咬合(噛み合せ)状態を検査します。
噛み合せが原因となる場合もありますので、きちんと噛み合っているか、調べます。
(歯型を取り模型にして確認することもあります)
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これらの検査結果、処置内容を具体的にお話しし、治療に対して理解と同意が得られて治療を開始します。
歯周病の治療方法は?
比較的軽い歯周病であれば、歯や歯の周りを清潔に保つ治療を続けることで治すことができます。
しかし、炎症が歯肉の奥まで進行し、歯周組織の破壊がひどい場合には、歯周組織を回復させるための手術(歯周外科手術)が必要となります。この手術の際に、歯周組織再生誘導材料という、手術治療を補助するための、歯科用の材料が使われることがあります。
リグロス(歯周組織再生剤)
リグロスを用いる歯周組織再生療法とは
※保険適用の歯周組織再生療法
リグロスの成分は細胞を増やす成長因子で、この成長因子の作用により歯周病で破壊された歯周組織の再生を促進する治療法です。フラップ手術で、プラーク・歯石などを取り除いた後に歯槽骨の欠損部にリグロスを塗布し、歯を支えている歯周組織の再生を促します。
リグロスと同じ成分は、すでにやけどや床ずれなどの治療に使用されています。
フラップ手術(歯肉剝離掻爬手術)
フラップ手術は歯周基本治療では除去できなかった歯周ポケットの深いところに存在するプラーク・歯石などをきれいに除去するために行われる歯周外科治療の一つです。
歯肉に局所麻酔を行った後、歯肉を切開・剝離してプラーク・歯石などを取り除きます。フラップ手術時に歯周組織再生療法を併用することで、失われた歯周組織を再生させる工夫をすることもあります。
リグロスによる歯周組織の再生
リグロスは成長因子の作用により歯周病で破壊された歯周組織の周囲にある②細胞を増やし、さらに血管を作って細胞に栄養を送り込みます。これらの作用により、歯槽骨などの歯周組織が再生されます。
手術の前に
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歯周組織の状態を調べるために、歯周ポケットの深さを計ったり、レントゲンを撮ったり、その他治療に必要な検査を行います(図1)。リグロスを使った治療が行えるかどうがは、歯周病の程度や患者さんの健康状態によっても異なりますので相談して下さい。
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歯周外科手術
手術は麻酔をかけます。
まず最初に治療する部分の歯肉を切開し、剥離します。
次に歯根表面の清掃を行いリグロスを塗布します。
最後に切開した歯肉部分を縫合し、し手術は終了です。
手術にかかる時間は約1時間前後で、手術後、しばらく休んでいただいた後は帰宅できます。抜糸は手術から2~6週間後に行います。
フラップ手術後の注意点
手術後は速やかに治癒しますが、手術部分の歯みがきなどは当院の指示に従って下さい。また、指や舌で手術部分を触らないで下さい。
手術当日は、強く口をゆすいだり、飲酒などは控えてください。
手術後の感染を防ぐために、術後3~6週間は、消毒薬で口の中をよく洗浄するようにします。抗生物質が処方された場合は、医師の指示に従って服用して下さい。
定期的な受診について
機能的な歯周組織を取り戻すまでには、数ヶ月から1年程度かかります。歯周組織が再生する期間、および程度は個人差があり、歯周病の進行具合によっても異なります。術後のスケジュールの詳細も患者さんによって異なりますので、医師の指示に従い、必ず定期的な検査を受けるようにして下さい。治療が終了した後も、口の中の衛生状態を医師が定期的に検査することが大切です。
歯周病を再発させないためには、歯や歯の周りをいつも清潔に保つことが大切です。